【IQとEQの違い】ビジネスシーンでの影響や改善方法は?
IQと言えば、誰でもなんとなく頭の賢さに関係することが分かりますが、近年教育やビジネスの場で重要視されているのはIQだけではなく「EQ」と呼ばれる人間の能力です。IQとEQは何が違うのか?各数値が高い・低い人でどんな差が出てくるのか、また何がIQやEQに影響するのか?改善方法は?この記事では、IQとEQに関する主な疑問について、一つ一つ解説していきます。
目次
- IQ=知能指数、EQ=心の知能指数
- IQ・EQが高い人の特徴
- EQが低いとどうなる?
- IQ・EQに対する幼少期の影響
- ビジネスにおけるEQの重要性
- 成人後にIQ・EQを高める方法
- まとめ:IQだけでなくEQも求められる時代
IQ=知能指数、EQ=心の知能指数
IQとは知能指数を数値化したもの
IQテストは学校などで受けた方も多いと思いますが、IQスコアは「同じくらいの年齢の集団でIQテストを受けた人たちの中で、自分のスコアがどの位置にあったか」を基準に算出され、平均的なIQスコアは100で、85~115の間に約68%の人が収まります。IQは人間の知的能力を数値的に見るために開発された指数です。
私のIQはどれくらい?
24分のIQテストですぐにチェック →
EQとは心の知能指数
IQは人間の知能を表す数値 =Intelligence Quotientであり、EQは心の知能指数=Emotional Intelligence Quotientを表します。IQがIQテストによって数値で表せるようになった一方で、EQはIQテストだけでは測りきれない人間の認識力を捉えるために作られた、比較的新しい概念です。
EQ=心の知能指数とはどういうことか大まかに説明すると、自分や他者の感情を理解し、自分の感情をコントロールできる力のことを指しています。
IQ・EQが高い人の特徴
IQが高い人は問題解決能力に優れている
人間の知能とは様々な知的能力で複雑に構成されているため、IQテストで高い数値を取れる人が得意なことは数多くありますが、様々な場面において問題を解決する力に優れていると言われています。大まかに言うと、「過去の経験に頼らずに課題を解決する能力」=流動性知能や、「知識や経験を記憶し、それを活かす能力」=結晶性知能などがIQテストで測られる人間の知能です。
EQが高い人は冷静で忍耐強い
人の感情により関わるIQが高い人は、まず自分の感情をコントロールするのが得意なため、感情的になりにくく、大変な場面でも冷静であることができます。そして、自分のモチベーションを保ち、失敗しても成功するまで我慢強く耐えることができる人でもあります。
EQが高い人は他者への共感性が高い
EQが高い人はまず自分の感情への認知力が高いため、他者の感情もよく理解する共感性の高い人でもあります。他の人の感情を的確に察知して必要な行動が取れるため、人とのコミュニケーションが非常に得意です。
EQが低いとどうなる?
感情的になりやすい
EQが低い場合、自分の感情を客観的に認知するのが不得意なため、感情のコントロールが下手で状況に応じて冷静に対処することが不得意な人が多いです。
プライドが高く自己中心的な言動が多い
自分の感情だけでなく、他者の感情への理解=共感性が低いと、「これを言ったら相手が傷つくかも」と想像せずに自分中心な発言をしてしまいます。また、自己認知の低さのせいか、根拠のないプライドを持つ人も多く、常に他者と比べて勝ち負けで物事を判断しがちです。
他人のミスに不寛容
自分のミスは認めたくない一方で他人のミスには容赦なく批判する傾向があります。EQが低い人の共通点は、他者の感情に対して鈍感であるため、他人が嫌な思いをしていることに気づかないか、それを問題と認識していないことです。
IQ・EQに対する幼少期の影響
幼少期の会話がIQに影響する
子供の頃に両親がたくさん話しかけることに子供のIQが向上するという研究結果があり、さらに語彙やフレーズを豊富に用いてポジティブな反応を返してあげるとさらに効果的です。両親との会話が多かった子どもたちはIQテスト、言語理解、語彙力などのスコアで平均14〜27パーセント高い結果を示しました。[1]
幼少期の安心感がEQを高める
EQを高めるためには、幼少期にどれだけ「安心感」や「信頼感」を周囲から受けたかが重要になってきます。子供の安心感を育てるのにも、IQと同様たくさん話しかけてあげることが大事なのですが、特にどれだけ自分が子供を愛しているかを言葉にしてあげることで、「自分は愛された人間だ」という地盤が固まりやすくなります。もちろん、言葉だけでなく積極的にスキンシップを図ることも大事です。
ビジネスにおけるEQの重要性
EQが低いと生産性も下がる
EQが高い人とのコミュニケーションは円滑で周囲のモチベーションも上がりやすいです。逆にEQが低い=他者への共感や気遣いができない人がいると、周りの人とのコミュニケーションがぎこちなくなり、お互いに「不安な感情」を呼び起こし、それが生産性を低めるという研究結果があります。
Googleが社内の生産性の高いチームとそうでないチームの比較をしたところ、成功の鍵となるのは「心理的安全性」であることが分かりました。[2]
他者への気遣いや配慮、共感ができるチームは生産性が高く、逆にミスや叱責を恐れなくてはいけないような人間関係のチームは生産性が低いという調査結果が示されたのです。
集団をまとめるリーダーとしてEQは不可欠
IQは高いはずなのに仕事ができないように見える人というのは、EQが低い人かもIQは高いはずなのに仕事ができないように見える人というのは、EQが低い人かもしれません。仕事はただ頭の回転が早かったり仕事をたくさん覚えたりするのが得意、つまりIQが高いだけでは円滑にいかないこともあります。特に部下やチーム全体の雰囲気を作るリーダーは自分の感情をコントロールしながら他者への配慮もできる人材でなくては、自分やチームのモチベーションや生産性を高めていくことが難しいのです。
成人後にIQ・EQを高める方法
【IQを上げる方法】ワーキングメモリの訓練
成人後もIQを高められることは可能であるといくつかの研究結果が示しています。一つの方法としてDual-N-Back ゲームと呼ばれるワーキングメモリを鍛える訓練がありますが、これは短期的な記憶力を鍛えるゲーム的なトレーニングです。「Dual-N-Back」で検索すると、気軽にできるアプリもあるので興味がある人はぜひチェックしてみてください。
【EQを上げる方法①】一日の行動と感情を整理する
EQは後天的に高めることができる能力です。一日の終わりに、その日の自分の感情の動きを書き出して客観的に見つめ直してみましょう。例えば何かに怒ったり悲しかったりしたときは、その原因を考えながら自分以外の視点でも捉え直してみることで、多角的な視野で物事を冷静に見られるようになり、自分の反省点を見つけて今後の行動や気持ちに変化が生まれていきます。
【EQを上げる方法②】人の話を聞く態度を見直す
これまでと人の話を聞く態度を変えてみましょう。人の話を聞いている途中で反論するよりも、「相手がどんな気持ちで話しているか」「自分がどういう反応をしたら、相手にとって良いか」を想像しながら、自分が相手の話をよく聞いていることを相槌や目線で相手に伝えるようにしましょう。
まとめ:IQだけでなくEQも求められる時代
IQが高くともEQが低い人は、周囲から成果を認められにくかったり、成功するまで粘り強く頑張れなかったりして自分のIQの高さを活かしきれないことも。
日本はEQのスコアが世界最下位という調査結果も出ているため [3]、その価値の重要性にいち早く気づいて対処できる人は、これからの社会で活躍できる人材かもしれません。IQもEQも意識的に高めることができる能力ですので、気になる人は是非IQを向上する方法やEQのトレーニングを始めてみましょう。
今のIQはどれくらい?
24分のIQテストですぐにチェック →
出典
[1] Talking with your toddler could boost IQ scores and language skills later: Study